ケルトの暦には、春分、夏至、秋分、冬至という季節の大きな節目と、その中間に位置する四つの節目であるクロスクオーター。8つの季節の特別な節目があります。
その節目ごとにカヴン内でそれぞれサバトを開催し、所属する魔女達が集い、季節季節のお祝いや魔術を行うことで、そのサバトを司る神や宇宙の流れに同調し、力を高めていきます。
その一つにあたるベルテインについて解説します。
ベルテインとは、古代ケルト人が夏至を祝う祭りのことで、4月30日の日没から5月1日にかけて行われます。ケルト民族の火の神である「ベル」にちなんで火祭りが開催されていました。この祭りは夏の始まりを祝い、生命力と豊穣を祈るものです。
メイポールの周りで一日中ダンスをし、夜に一糸纏わぬ姿でカップル同士篝火を飛び越え、夏至に結婚、または婚約を宣言します。ベルテインは聖なる結婚の時でもあり、自然の豊穣を祈るものでもあり、火祭りにおける篝火や焚き火は、あらゆる厄災を清める役割があります。古くからある火祭りの一つでベルテインの火祭りとメイポールは多産と豊穣を祝うものでありました。
ベルテインではメイクイーンとキングが選ばれ、人々はその2人を祝してメイポールの周りで踊ります。メイポールというのは、大きな柱の頭頂部にリボンを結びつけ、それぞれがその端を持ち、歌いながら回って布を巻きつけていきます。
メイボールは男性性のシンボルでもあります。
日本的に言えば、五穀豊穣と共に子孫繁栄の祭りといったところでしょうか。
と書けば聞こえはいいですが、カップルが朝方まで森の中で一糸纏わぬ姿で過ごし、翌朝、花輪等を作って戻り村を飾ったそうなので、乱痴気騒ぎもいいところ。今では倫理的に完全にアウト!なお祭りです。
現代のベルテインの祝い方には、野外フェスティバルやコンサート、パレードなどがあります。また、自然と共に過ごすキャンプやピクニック、バーベキューなども人気があります。
イギリスのエディンバラでも毎年イベントが開催されているそうです。メイクイーンがブルーマンに先導され、4人の女戦士を従えて登場。冬のグリーンマンが女戦士たちに倒され、夏のグリーンマンに生まれ変わり、メイクイーンと結婚するというパフォーマンスも行われるそうです。
ベルテインの意義は、新しい生命と成長の始まりを祝うことにあります。また、自然と調和することや、人々との交流を深めることも重要な意味を持ちます。今後も、ベルテインのお祭りは世界中で続けられ、自然との共生や、人々の絆を深める場として大切な存在となっていくでしょう。